マチノワ · 2026年 春号
G9-20·2026-06-14·約4分
NOBORIBETSU

登別温泉。
地獄谷と湯けむりの渓

登別温泉が他の湯どころと決定的に違うのは、湯の出どころを「観光できてしまう」ことだ。多くの温泉地は源泉を建物の奥に隠すが、ここでは爆裂火口跡がむき出しのまま渓をつくり、灰白色の岩肌から蒸気が音を立てて噴き上がる。クッタラ火山の活動がこしらえた地形の上に湯の街が乗っているので、地獄谷を覗き、沼から流れ出す川に足を浸し、間欠泉の真下に立つ——その一連が、そのまま「お湯がどこから来るのか」をたどる行為になる。9種もの泉質が湧くのも、この荒々しい地下を持つからこそ。今回はその湯の源を地形ごと味わう道を組んだ。歩くほど硫黄が濃くなる、温泉地そのものが主役の一帯である。

副題

活火山が吐く蒸気を、足の裏まで連れて歩く

編集

マチノワ編集部

活火山が吐く蒸気を、足の裏まで連れて歩く編集部厳選NOBORIBETSU厳選5スポット2026年 春号活火山が吐く蒸気を、足の裏まで連れて歩く編集部厳選NOBORIBETSU厳選5スポット2026年 春号
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厳選5

活火山が吐く蒸気を、足の裏まで連れて歩く

順位ではなく、編集部が選んだ5スポットを順にご紹介します。登別温泉が他の湯どころと決定的に違うのは、湯の出どころを「観光できてしまう」ことだ。多くの温泉地は源泉を建物の奥に隠すが、ここでは爆裂火口跡がむき出しのまま渓をつくり、灰白色の岩肌から蒸気が音を立てて噴き上がる。クッタラ火山の活動がこしらえた地形の上に湯の街が乗っているので、地獄谷を覗き、沼から流れ出す川に足を浸し、間欠泉の真下に立つ——その一連が、そのまま「お湯がどこから来るのか」をたどる行為になる。9種もの泉質が湧くのも、この荒々しい地下を持つからこそ。今回はその湯の源を地形ごと味わう道を組んだ。歩くほど硫黄が濃くなる、温泉地そのものが主役の一帯である。

SPOT01
火山地形・遊歩道 · 北海道登別市登別温泉町

登別地獄谷

直径約450メートルの爆裂火口跡が、そのまま温泉地の源泉地帯になっている。灰褐色の岩肌のあちこちから蒸気と熱泥が噴き出し、遊歩道の先にある鉄泉池では灰色の湯がぼこぼこと沸く様子を間近で見られる。ここから湧く湯が街の宿へ引かれているため、登別の湯に浸かる前にその出どころを覗ける点がこの谷ならではだ。入場は無料で時間の制限もなく、日没後は遊歩道がライトアップされて岩肌の起伏が浮かび上がる。

入場料無料
見学時間24時間(夜間はライトアップ)
駐車場地獄谷駐車場 有料(料金は公式で確認)
SPOT02
火口湖 · 北海道登別市登別温泉町

大湯沼

クッタラ火山の水蒸気爆発でできた周囲約1キロのひょうたん型の火口湖で、表面は灰黒色をしている。沼の底では約130度の硫黄泉が噴き出し続けており、表面でも40〜50度ほどあるため、寒い時季には水面いっぱいから湯気が立ちのぼる。地獄谷とはまた違う「沼ごと煮えている」迫力があり、展望台からは色と湯気の濃淡まで見て取れる。ここから流れ出した湯が、次の足湯スポットの川へと続いている。なお沼へ続く探勝路は冬季に通行止めとなる区間があるため、時期によっては公式で経路を確認したい。

見学料無料
沼の温度表面で約40〜50度
駐車場大湯沼駐車場 有料
SPOT03
天然足湯・遊歩道 · 北海道登別市登別温泉町

大湯沼川天然足湯

大湯沼からあふれ出した湯がそのまま川になって森の中を流れており、その流れに直接足を浸せる。湯船でも蛇口でもなく、地面を流れる温泉の川に座って入る足湯というのは全国でもめずらしく、夏場で42度ほどとやや熱め。硫黄の香りと木立に囲まれた中、湯の温度を足の裏で確かめながら歩いた疲れを抜ける。タオルを一枚持っていくと快適だ。なお足湯へ続く遊歩道は冬季や荒天時に閉鎖されることがあるので、訪問可否は事前に公式で確かめておきたい。

料金無料
利用時間早朝〜日没(自由)
持ち物タオル推奨
SPOT04
間欠泉・公園 · 北海道登別市登別温泉町

泉源公園

温泉街の中心にありながら、約3時間おきに約80度の湯が高さ8メートルほどまで轟音とともに噴き上がる間欠泉を備えた公園。地獄谷から流れる湯を利用したもので、一度噴き出すと50分ほど続くため、待ち時間さえ合えばじっくり見学できる。園内には鬼の金棒を模したモニュメントが立ち、登別名物の鬼伝説とも結びついている。地獄谷や大湯沼で見た地下の力が、街の真ん中で噴き上がる形になっているのが面白い。噴出のタイミングは前後するので、時刻は公式で確認しておくと待ちぼうけを避けられる。

入場料無料
間欠泉の高さピーク時 約8メートル
噴出間隔約3時間ごと(時刻は公式で確認)
SPOT05
動物施設・ロープウェイ · 北海道登別市登別温泉町

のぼりべつクマ牧場

温泉街からロープウェイで標高約550メートルの四方嶺山頂へ上がると、ヒグマを間近に観察できる牧場が広がる。狙いはクマだけではなく、山上からは太平洋まで見渡す360度のパノラマと、眼下に広がる原生林やコバルトブルーの倶多楽湖の眺めが開け、足元で覗いた渓のあるこの一帯を今度は俯瞰でとらえ直せる点にある。湯の街がどんな地形の上に乗っているかが一望できるので、地獄谷を歩いたあとに上がると地形の理解が立体的になる。

入園料大人・小人とも料金は公式で確認(ロープウェイ込)
ロープウェイ山頂まで約7分(天候により運休あり)
営業時間季節で変動(最新は公式で確認)
編集部のひとこと
湯は蛇口の先ではなく、煮え立つ渓の底から来る
マチノワ編集部
編集後記

最後に、歩き方

蒸気と硫黄を浴びて歩いたあとは、極楽通りに戻って好きな宿の湯に身を沈めるのがいい。さっき覗いた渓の底から、この一滴が来たのだと思いながら浸かると、登別の湯は少し違って感じられるはずだ。なお間欠泉の噴出時刻や各施設の営業・料金は季節で動くうえ、大湯沼や足湯へ抜ける自然探勝路は冬季や悪天候で通行止めになる区間もあるので、出かける前にそれぞれの公式情報で最新を押さえておくと安心して回れる。

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